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この記事は株式って何?会社は誰のもの? 会社法入門#3について書かれています。
どうもオレンジ博士!会社を設立し、とうとう俺も社長になりました!当然会社は社長の物って認識で合ってますよね?
マナブ君、会社設立おめでとうございます。これからも株主のために頑張って利益を上げないといけませんね!
会社というのは社長のものってイメージがあるかもしれませんが、実は法律上は違います。では会社は一体誰のものなのでしょうか。
会社の所有権者は誰なのか
社長はあくまでも会社から委任されてた経営のプロ
社長、つまり会社法上の代表取締役はあくまでも会社の一役職にすぎません。社長というのは会社法上の用語ではなく、正しくは代表取締役、または代表執行役になります。
社長は会社に委任された経営者のトップで、実際に会社を動かし業務を執行する大切な役割があります。
え、でも僕は100%株主だし、実際に会社に雇われているなんて認識は全くないんですが!
所有と経営の分離を忘れちゃいましたか?会社は原則として株主と経営者は別人格(別の役割)です。今回マナブ君が作った会社は小規模の会社で、株式の全部をマナブ君が持っているので、”株主マナブ君”、”社長マナブ君”というだけです。会社自体は別人格なので、会社(決定機関は株主であるマナブ君)がマナブ君を代表取締役として委任しているという感覚です。わかりますか?
会社は株主のもの
会社の所有者のことを会社法用語で”社員”といいます。つまり、社員=株主となるわけですが、株主は細分化された均等な割合的形をとった株式会社の所有権者ということになります。
1株1万円で、1000株発行して作った会社は”誰かしらから1000万円の資金をもらって”立ち上がった会社であり、その持分に応じて恩恵を受けたり、権利を行使したりできるわけです。
このように、1株◯円と決めておくことで、株主を平等に扱える上、株主と会社との法律関係を簡潔に処理することができます。10株出資した株主と、100株出資した株主の取り扱いは当然ですが変わってきます。100株持っている株主は10株しか持っていない株主に比べて配当は10倍ですし、会社に対する議決権も10倍になります。
このような処理方法を維持するために、会社法ではか株式を1株未満の単位に減らすことができなくなっています。これを株式不可分の原則といいます。
株主の権利
株主は先ほども述べたように会社の所有者(オーナ)です。ですので、会社に対して様々な権利権限を持っているのです。
株主の自益権
自益権とは、株主が会社から金銭を受け取る権利のことを指します。出資者である株主は、会社に利益が出た時に、その利益から一定の割合で金銭の分配を受ける権利があるのです。
これは自益権の代表的な権利で、出資する一番の理由となるでしょう。この配当を受ける権利のことを”剰余金配当請求権”といいます。(会社法105条1項1号)
また、前回の記事自分でできる!株式会社 設立のやり方 会社法入門#2 株式会社総説でも書きましたが、もう一つの自益権は残余財産分配請求権になります。
会社が解散した場合に余っている財産を分配しろ!という権利のことでしたね。
株主の共益権
株主の共益権とは、会社の経営に対して議決権を行使する議決権と、経営について是正を求める監督是正権があります。
共益権と自益権の大きな違いは、共益権について多いな制約があることです。例えば、2万人を超える株主がいる会社で、時価総額1株1万円、発行済株式の数が5000万株だとしましょう。共益権は平たく言えば会社の経営に口出しする権利ですので、いちいち個人の意見など聞いていられません。ましてや1株しか持っていない株主のために時間を割く方が却って損失になります。そこで、監督是正権の一部の会社の経営に関して重要な事項については◯◯株以上の株主が集まらないと権利を行使できないといったように制限をかけています。
このような権利を少数株主権と呼びます。国会や政治運営をイメージしてみるとはっきりわかるのではないでしょうか。いちいち内閣や国会が田舎のご老人1人の意見を聞かないですよね。意見を聞いて欲しければ、署名活動なりして請願してくださいというのに似ています。
今回はここまで。次回は”株式の授権資本制度について”を書いていきます。