多様な株式を発行する 種類株式 会社法入門#5について書かれています。
前回の発行株式数、株主平等、利益供与の禁止 会社法入門#4で株式についてだいぶ理解ができてきました!
マナブ君、今日は多様な株式を発行する 種類株式それぞれ解説していきますね。
特別な株式を発行
会社法は、原則として大会社を前提に作られた法律だよってお話しましたよね。ですので原則論でお話しすると、株主は株式を自由に売買することが許されているんですね。(会社法127条)また、会社は原則として自社株(自社の株式を自社で取得)を取得することも許されていません。
しかし以下の物を定款で定めれば、株式の内容を変更して発行することも許されています。(会社法107条1項,2項)
それぞれ、会社法には譲渡制限株式(107条1項1号)、取得請求権付株式(107条1項2号)、取得条項付株式(107条1項3号)があります。
日本の中小企業ではほぼ100%と言っていいほどこの譲渡制限株式(107条1項1号)が定款で定められています。
譲渡制限株式を認める理由
会社の規模や会社の方針によっては資金を集めることよりも、安定した社員の下経営をしたいというニーズがあります。
譲渡制限を認めず、株式を自由に売買することができると、ある日突然全く関与していなかった人が株主となり、株主としての権利を行使し始めることも可能になってしまい、経営の安定を害します。
そこで株主が持っている株式を他人に譲渡する際は、会社の承認を必要とする定款を許しているのです。
種類株式の発行
上記のように定款で一律に株式に制限をつける以外にも、別個独立した形で種類株式を発行することも会社法は許容しています。
公開会社、非公開会社の違い
会社法を勉強していない方だと、上場会社、非上場会社とごちゃ混ぜに理解されている方も少なくありません。しかし、公開、非公開は全く別の概念です。
公開会社とは、会社法2条5号に定義があるように、全ての株式を譲渡制限株式としている会社を非公開会社と呼び、それ以外は公開会社という扱いになります。
ちなみに上場、非上場というのは会社法の概念ではありません。金融商品として市場で自由に株式の売買ができるのがいわゆる上場企業となっています。